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明日への一歩

2017年6月29日木曜日

議会質問から①「地域共生社会の実現」

平成29年高松市議会第3回(6月)定例議会の代表質問から

今回の代表質問は、情報技術や科学技術の劇的な変革により大きく様変わりを遂げようとする中で、10年後、20年後の高松の未来に焦点をあて「まちづくり」やそのまちづくりを担う「人づくり」など大きく9項目にわたり質問をしました。

大項目4「地域共生社会の実現について」

 これまで我が国の公的な福祉サービスは、高齢者・障害者・子どもといった対象者ごとに、典型的と考えられるニーズに対して専門的なサービスを提供することで、福祉施策の充実・発展に寄与して参りました。しかしながら、介護保険法、障害者総合支援法、子ども・子育て支援新制度など、各制度の成熟化が進む一方で、人口減少、家族・地域社会の変容などにより、既存の縦割りのシステムには課題が生じています。具体的には、制度が対象としない生活課題への対応や複合的な課題を抱える世帯への対応など、ニーズの多様化・複雑化に伴って対応が困難なケースが浮き彫りになってきています。
本市においても今後、行政やサービス提供側の人材確保の面から、従来通りの縦割りでサービスをすべて用意するのは困難となってくることも予想されています。今般、一億総活躍社会づくりが進められる中、福祉分野においても、これまでの価値観を転換し、福祉は与えるもの、与えられるものといったように、「支え手側」と「受け手側」に分かれるのではなく、地域のあらゆる住民が役割を持ち、支え合いながら、自分らしく活躍できる地域コミュ ニティを育成し、公的な福祉サービスと協働して助け合いながら暮らすことのできる「地域共生社会」を実現する必要性が高まっています。
具体的には、「他人事」になりがちな地域づくりを地域住民が「我が事」として主体的に取り組んでいただく仕組みを作っていくとともに、地域づくりの取組の支援と、公的な福祉サービスへのつなぎを含めた「丸ごと」の総合相談支援の体制整備を進めていく必要があります。また、対象者ごとに整備された「縦割り」の公的福祉サービスも 「丸ごと」へと転換していくため、サービスや専門人材の養成課程の改革を進めていく必要があり、これらの具体策の検討を加速化するため、国は平成287月に「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部を設置し、取り組みの推進を開始しています。今年度の予算では「地域力強化推進事業」や「多機関の協働による包括的支援体制構築事業」が出ていますが、本市もこれらの事業を有効に活用し、対策を講じる必要があります。

私は、この地域福祉の推進について平成2712月議会で代表質問を行いました。
本市では、高齢社会に対応するために「長寿福祉課」「介護保険課」「地域包括支援センター」のそれぞれの課が連携を図るために「長寿福祉部」を設け連携強化を図ってきました。また、長寿福祉課の中に「地域包括ケア推進室」を設け医療と介護が連携して住み慣れた地域で生活ができるように調整する体制整備を行ってきています。
しかし、介護保険法の改訂により、要支援1.2など介護予防の事業が介護保険制度から自治体に移行されるなど、行政サービスで全てをまかなえないとして、元気な高齢者など地域の人財の力を借りてこれからの高齢社会を乗り越えようとしています。そこで重要になってくるのが「社会福祉協議会」や「民生委員」などです。しかしこれらの役割を所轄するのが「健康福祉総務部」と違う部署であることから整理が必要なのです。ましてや「地域包括ケア」の役割が高齢者だけではなく、「地域福祉」全体へと拡充されて・丸ごと担うことが求められようとしているのです。そこで、「地域包括ケア推進室の機能と役割を地域福祉の充実まで担うべきだとして再整理することと、福祉政策機能の強化」を訴えて参りました。
大西市長の答弁でも「地域福祉課題が多様化・深刻化している認識を示され、その対策が急務であり、本市に適合する対応策を検討する」と述べられていました。
1年半を経過し、今般の国の新たな動向も踏まえ、地域共生社会の実現に向けた今後の取り組みを質しました。

市長からは改めて、『多様化・複雑化する福祉ニーズに的確に対応していくためには、個人や世帯が抱える複合的な課題に、公的支援が分野を超えて総合的に行われることが必要だ」との認識を示されました。本市では「総合センター」に子育て世帯包括支援センターと地域包括支援センターを併設し、妊娠期から子育て期までの切れ目のない相談者への支援のほか、ダブルケアが必要な人への支援や高齢者への支援を連携して行おうとしています。また、個別事案について関係機関の多職種が連携して解決に向けた検討する「地域ケア小会議」を開催している現状を報告されました。更に、今年度障がい者や高齢者からの多様なニーズに一体的に対応できるように「基幹センター」を設置し、相談支援体制の充実を図ることとしています。(この基幹センターの必要性も過去に提案しました!)
このように総合的な支援体制が整いつつありますが、関係機関や地域との連携を一層図るために、包括支援体制の構築に取り組んで行きたい との答弁がなされました。





2017年6月23日金曜日

高松市議会の改革

本日、高松市議会の平成29年度第3回(6月)定例議会が閉会しました。

議員として3期目(10年)を経て、これまでに議会について大きく疑問を持ち
変革が必要だと感じ続けていることがあります。

それは、議会活動の華??とも言える 議会での質問についてです。

10年前に初当選し、何も分からない中でいきなり最初の6月定例議会で一般質問を行って以来、悩みながら取り組んできているのですが、どうにも納得がいきません。

意思決定支援業(経営コンサルタント)という仕事を経て議会にきたので、余りにも現状の質問を聞いている時間が苦痛です。いったい何の為に質問を行うのだろうか???と

市民からの相談や対話、政務調査活動の中で気づいた事柄、市政運営についての問題点を指摘し改善するために貴重な時間を費やすものと考えるのですが・・・。そうでないことが余りにも多いのです。40人の議員と市長を始めとする多くの職員の時間を費やし開かれる議会です。すごいコストなのですよ!限られた時間なのですよ!

許せない質問の代表3点

①市政に関係ない質問
 「アベ政治の***がダメだ、市長はどう考えるのか?」
 それは市長に聞いたってだめでしょう!パフォーマンスに時間を割いている場合ではありません。市議会は市政運営について質す場です!

②お伺い質問
 「雇用が大事です、企業誘致の状況は?」????
 本当に良くあるのが、単なる質問(question)。数や状況を大切な議場で聞かなくても、資料(市政概況や各種計画)を見たり、日常で担当者に尋ねれば分かることです。問題点を浮き彫りにするために数や今後の取り組み方針などの状況を聞くのはいいとしても、そこで終わってしまえば、貴重な時間を費やして教えてもらっているだけです。現状をしっかりと認識したうえで、今行われている市政運営の問題点や改善点を指摘することが必要なのではないでしょうか。

③同じ質問
 単なるお伺い質問の上に更に質の悪いのが、以前他の議員が質問した内容を、何の再調査や提案もなく質問すること。今は高松市議会のホームページからhttp://www.kaigiroku.net/kensaku/takamatsu/takamatsu.html で、平成3年以降の質問内容が原稿で見ることができます。キーワード検索もできますので、気づいたことについて検索すれば、過去にどのような指摘がなされ、市はどの様な対応を行おうとしているのかも答弁を見れば分かるのです。
 もう一つの同じ質問は、質問でのダブりです。代表質問は市政全般について会派を代表して質すので、旬の話題(決算見込みなど)が被ってしまうことは仕方がないのですが、答弁は全く一緒なので4回も5回も全く同じ言葉を聞くのは、時間がもったいないと感じています。

民間の会議とは違い、議会は議員が市民の声を背負い質問を行う場なので、全く無駄なく効率的な運営とまではいかないまでも、「市民の福祉の向上」を目的にするのなら、議員同士がお互いに律して質の向上を図るべきだと考えます。議員は選ばれてきているので何を聞いても自由だ!ではいけないのではないでしょうか。

これまで沢山述べてきましたが、市民から見れば「待機児童が問題だ」とのニースで聞くようなお伺い質問は、分かり易く、とっつき易いのだろうなと思い、悩ましいかぎりです。

議会改革が叫ばれる中、「質問は何のために行うのか?」との根本に立ち返って議論を行う必要があります。

議会の役割は、二元代表として合議の上で市長を中心とした行政運営をチェックすることと、足らざることを提案(政策提案)すること、そして議論の過程を通じて、争点を市民に分かり易く説明することのはずです。ひとりの議員の質問(気づき)が、そのまま市政運営の改善につながれば一番効率良い働きとなるのでしょうが、そうは簡単にいきません。それでも市の方針(答弁)を皆が聞いて、その事を議会で議論し、様々な立場に立って意見を交わすなかで合意形成を図ることが大切なのだと思います。

高松市議会で一番欠けているのが、この議論する「場」だと思います。
議員一人ひとりが行政に対峙しているのでは、議会ではありません。

発言回数や時間に制限があるといったことなど沢山の課題があるが、
何より根本の議論をしたいものです!
昨年度は私は、議会運営委員会の副委員長として、何度もこのことにトライしたのですが力及ばす進みませんでした。残念ながら今年は議会運営委員ではありませんが、あきらめずに挑みます!