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明日への一歩

2013年11月1日金曜日

11月5日臨時議会議案「なぜ男木小・中学校の再開の予算に賛成するのか」

11月5日に開催予定の第5回高松市議会臨時会議案が提出されました。

議案は、1.平成25年度高松市一般会計補正予算(3,280万円を減額) 2.屋島陸上競技場の建設工事等にかかる消費税負担増加分に要する経費711万円余の専決処分の承認 についての二つです。

特に皆さんにお知らせしないといけないのは、10月22日に高松市教育委員会で来春(平成26年4月)に決定した、男木小・中学校の再開に応じるための補正予算です。補正の内容は、当初平成26年に計画していた中棟校舎の解体工事を一部繰り上げ行うことと、備品購入費などに2,220万円を要し補正するものです。更に、これまでの計画で平成27年に終了する予定の、東棟校舎の耐震補強工事、北棟校舎の改修等が終わるまでの間、男木交流館北側市有地に整備する仮校舎(プレハブ・リース)の設置費9,050万円と、中棟校舎解体工事の平成26年度分2,430万円を合わせた、1億1,480万円を来年度以降に予算を手当てする債務負担行為として設定するものです。

これまでに知人から、また議会の中でもこの問題について疑義があり、お問い合わせがあるので、私の現在の意見をまとめてみました。限られた期日ではありますが、皆様からのご意見を踏まえ、5日の臨時議会での審議を経て決定したいと考えています。

これまでに私に寄せられた反対意見をまとめてみると
① たった6人(現在は11名)のために、多額の費用を要するのはわがままでではないか?
② 片やこれまでに統廃合で学校を無くしている所があるのに、その地域との整合性から言って不公平ではないか?
③ 子育て・教育問題の中でも、他の地域でも待機児童問題や校舎や運動場の狭隘が問題となって解決していない課題があるのに、何故、男木を優先するのか?
④ 来春再開に併せるために、2年しか使用しないプレハブに9,000万円余を投じるのは無駄ではないか?28年からではだめなのか?
⑤ 瀬戸内国際芸術祭の名前を出せば、何でも許されるというものではない!
⑥ 市民が言っても聞いてくれないのに議員が言えば通るのはおかしい!
などなどです。

そもそも、この男木小中学校の再開について、私は直面して対応してきました。

瀬戸内国際芸術祭の夏会期を終えた9月7日、男木島コミュニティセンターで、「男木島おこし座談会」が開催されました。これには島民、島出身者、アーティスト、男木島ファンが集い、島の未来が語り合われたそうです。私も参加予定でしたが別の会と重なり断念していました。
この座談会で島出身者の青年が2010年の芸術祭とその後の「男木deあそび隊」の取り組みや、この夏会期の「男気プロジェクト」を通じ、島での暮らしに希望を見い出し、「島でまた暮らしたいと」の思いが強まったとのこと。そこで最大の問題が子どもの学校で、「子どもが島で学べるなら戻って来たい」との想いを語ると、他の2世帯も共感。6名の子ども達が男木島で学びたいとなり、9日に市教育委員会へ要望。
しかし、現在休校中の校舎の耐震化やアスベストの問題など様々な困難な理由が伝えられ途方に暮れているとの相談が私に寄せられたのは翌10日。早速現状の確認を行い、市教育委員会に折衝。「島に若い人が戻ってきて、島の学校が再開することは、島のおじいちゃん、おばあちゃんにとって、地域にとっても未来を拓く最大の希望となる」と力説。「瀬戸内国際芸術祭の本来の目的にも合致し、高松市に於いても最大のチャンスだ」と説得しました。更に「夏会期中の今、希望を灯すことが大事だ」とも訴えました。一人で立ち向かっても解決しそうにないので、先輩議員にも訴え、相談し13日の公明党会派の代表質問でこの問題を取り上げることにしました。
こうなると教育委員会は明確な方針を示さなければなりません、再度要望者をはじめ、島民、県教育委員会、高松市の考え方を確認するなど3日間懸命に、ひとつひとつ丁寧に対応していただく中で「進めよう」との意思決定が整ったので、最終、代表質問として進めることになったのです。
その後、他の会派の先輩議員さん達からの応援も頂き、ひとつひとつ手順を追って進められ、再開が決定され、今回の臨時議会となったのです。

私は、瀬戸内国際芸術祭のコンセプト「舞台となるそれぞれの島で育まれてきた固有の民俗を活かし、島々で営まれてきた生活、歴史に焦点を当て、アートが関わることによって住民、特に島のお年寄りたちの元気を再生する機会を作り出していきます。活動の過程では、日本全国・世界各国から世代・地域・ジャンルを超えた人々が集い、次代を担う若者や子どもたちも含めた地域の人々と交流し協働することで、瀬戸内の未来を拓く大きな原動力となります。そして、この地が世界の叡智が集う場所となり、島々にできた新しい縁が、島と瀬戸内海再生の機会を生み出していくでしょう。」(ホームページ参照)との想いを北川フラムさんから伺い、賛同し、これまで仲間達と一生懸命、瀬戸内芸術祭に取り組んできました。最近では、芸術祭についても「本当に経済効果があるのか?来場人数を嵩ましている!・・・」など、目近な観光振興策やイベントとして見る狭隘な考えが蔓延っていますが、もっと本質に目を向けるべきだと思います。どうすれば、これから未来に向って、これまで営々と住み続けてきた瀬戸内で、幸せに暮らしていけるのか?そのためにはどんな取り組みが必要なのか?その為の瀬戸内国際芸術祭だったのではないでしょうか!

ここで先の反対意見に対する考えです。
① たった6名の為ではありません、跡に続く息吹があります(既に現在11名)。島民や島を応援している人々の取り組みなどしっかりした背景があります。さらにこの取り組みは、市内の他の地域にとっても、瀬戸内に暮らす人々にとっても希望であり“道しるべ”となる事業です。
② 少子高齢社会を展望して、多核連携型コンパクト・エコシティを進める高松市は中心市街地だけの振興ではなく、拠点となる地域や、これまでに営々と暮らしてきた地域でどうすれば、暮らし続けられるのかを考えています。その上で統合することが望ましいもの、守り育てるものを政治として判断する必要があります。
③ 「自分の要望が進まないので他もダメだ」ではいけませんよね。できるものから一つずつ、丁寧に合意を重ねて推し進めた結果です。男木には時の符合があったのです。
④ 休校から再開の意思決定が先決。対応としてのプレハブがダメなので再開がダメでは本末転倒。他の学校でも仮校舎はプレハブの校舎で対応している。もちろん校舎の耐震化や改修はもともとから計画されていたこと。
⑤ 瀬戸芸は「方途」。肝心なのは、どんな未来を創るのか。目的の再確認をしましょう!
⑥ 議員が言ったから進んだのではなく、多くの方の取り組みがあったからです。もちろん議員の仕事は、市民の声を聴き、大事なものを判断し推し進めるのが本来の仕事。そのためには常日頃の働きブリが結果をもたらすのでは?

以上の理由で、私は 男木小・中学校再開のための補正予算議案に賛成します。

長文になってしまいましたが、お読み頂きありがとうございました。皆さんからのご意見があれば、どしどしお寄せください。